ミニマリスト 最適化問題 PuLP

ミニマリスト 最適化問題

ミニマリストに関連する最適化問題として、以下の例を考えてみます。

ミニマリストが家具を購入する際に、最小限の予算内で必要なアイテムを選ぶ問題です。

以下の制約条件が与えられています:

🔹ミニマリストは予算B内で最大でN個のアイテムを購入できます。
🔹各アイテムにはコストCi重要度Wiが関連付けられています。
🔹ミニマリストは重要度の合計を最大化したいと考えています。

解法

この問題をPuLPを使用して解く方法を示します。

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from pulp import *

# データセットの設定
N = 5 # 購入可能な最大のアイテム数
B = 100 # 予算
items = [
{'name': 'テーブル', 'cost': 30, 'importance': 8},
{'name': '椅子', 'cost': 20, 'importance': 6},
{'name': '照明器具', 'cost': 50, 'importance': 9},
{'name': '本棚', 'cost': 40, 'importance': 7},
{'name': 'ベッド', 'cost': 60, 'importance': 10}
]

# 問題の定義
prob = LpProblem("MinimalistFurnitureProblem", LpMaximize)

# 変数の作成
x = LpVariable.dicts("Item", range(len(items)), lowBound=0, upBound=1, cat=LpInteger)

# 目的関数の定義
prob += lpSum([items[i]['importance'] * x[i] for i in range(len(items))])

# 制約条件の定義
prob += lpSum([items[i]['cost'] * x[i] for i in range(len(items))]) <= B
prob += lpSum(x) <= N

# 問題の解決
prob.solve()

# 結果の出力
print("Status:", LpStatus[prob.status])
print("最適なアイテムリスト:")
for i in range(len(items)):
if value(x[i]) > 0:
print(f"{items[i]['name']}: 重要度 {items[i]['importance']}, コスト {items[i]['cost']}")

このコードは、itemsリスト内のアイテムに対して0-1変数を作成し、目的関数制約条件を定義しています。

PuLPのsolve関数を呼び出すことで、問題を解くことができます。

最適化の結果、購入すべき最適なアイテムリストが出力されます。

[実行結果]
Status: Optimal
最適なアイテムリスト:
テーブル: 重要度 8, コスト 30
椅子: 重要度 6, コスト 20
照明器具: 重要度 9, コスト 50

結果として、テーブル、椅子、照明器具の3つのアイテムが最適な選択となりました。

それぞれのアイテムには重要度コストが表示されています。


なお、この結果は与えられた予算と制約条件に基づいて導き出されたものであり、アイテムの重要度の合計を最大化するように最適化されています。

キャリア選択の最適化 PuLP

キャリア選択の最適化

キャリア選択の最適化問題の例として、以下のようなケースを考えます。

仮想的な3つの企業(A社、B社、C社)があり、それぞれの給与やりがいが与えられます。

最適なキャリア選択を行うために、給与とやりがいをバランスさせる目的関数を最大化する数理モデルを作成し、PuLPを使用して解決します。

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from pulp import *

# 問題の定義
problem = LpProblem("Career Optimization", LpMaximize)

# 企業の情報
companies = {
"A": {"salary": 500, "satisfaction": 100},
"B": {"salary": 600, "satisfaction": 90},
"C": {"salary": 400, "satisfaction": 120}
}

# 変数の作成
choices = LpVariable.dicts("Choice", companies, cat="Binary")

# 目的関数の定義
problem += lpSum(choices[company] * (companies[company]["salary"] + companies[company]["satisfaction"]) for company in companies)

# 制約条件の定義
problem += lpSum(choices.values()) == 1 # 1社だけを選択する

# 問題の解決
problem.solve()

# 結果の出力
print("最適解:")
for company in companies:
if choices[company].varValue == 1:
print(f"{company}社を選択する")

目的関数は、選択された企業の給与とやりがいの合計値を最大化するように設定されています。

制約条件では、1社だけを選択することを指定しています。

[実行結果]
最適解:
B社を選択する

上記のコードを実行すると、最適な選択が表示されます。

選択された企業が“B社を選択する”と表示された場合、B社が最適な選択となります。


実際のキャリア選択においては、給与とやりがい以外の要素や制約条件を追加することができます。

例えば、労働時間やキャリアの成長性などの要素を数値化し、目的関数制約条件に組み込むことが可能です。

具体的な要件や制約条件に合わせてモデルをカスタマイズすることで、より現実的なキャリア選択の最適化が行えます。

選挙調査の最適化 PuLP

選挙調査の最適化

選挙調査に関する最適化問題として、以下の問題を考えます。

問題:

🔹選挙区ごとに最小の調査費用で有権者の意見を調査する。

制約条件:

1️⃣ 全ての選挙区には少なくとも1つの調査所が必要である。
2️⃣ 調査所ごとの調査費用は異なる。
3️⃣ 各選挙区の調査人数は制約されており、最小と最大の人数がある。

解法

PuLPを使用してこの問題を解くためには、以下のステップを実行します。

1. 必要なモジュールをインポートする。
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from pulp import LpProblem, LpVariable, LpInteger, LpMinimize, lpSum, value
2. 問題を作成する。
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problem = LpProblem("Election Survey", LpMinimize)
3. 変数を定義する。
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# 選挙区の数
num_districts = 5

# 調査所の数
num_polling_stations = 3

# 調査費用
survey_costs = [10, 15, 12]

# 各選挙区の調査人数の制約
min_surveyors = [2, 3, 1, 2, 2]
max_surveyors = [5, 6, 4, 5, 4]

# 変数の作成
x = {}
for i in range(num_polling_stations):
for j in range(num_districts):
x[i, j] = LpVariable(f"x_{i}_{j}", lowBound=0, cat=LpInteger)
4. 目的関数を定義する。
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# 目的関数(調査費用の最小化)
problem += lpSum(survey_costs[i] * x[i, j] for i in range(num_polling_stations) for j in range(num_districts))
5. 制約条件を追加する。
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# 各選挙区には少なくとも1つの調査所が必要
for j in range(num_districts):
problem += lpSum(x[i, j] for i in range(num_polling_stations)) >= 1

# 各選挙区の調査人数の制約
for j in range(num_districts):
problem += lpSum(x[i, j] for i in range(num_polling_stations)) >= min_surveyors[j]
problem += lpSum(x[i, j] for i in range(num_polling_stations)) <= max_surveyors[j]
6. 問題を解く。
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problem.solve()
7. 最適解を出力する。
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for i in range(num_polling_stations):
for j in range(num_districts):
print(f"Polling Station {i+1} in District {j+1}: {value(x[i, j])}")

上記のコードは、選挙調査に関する最適化問題をPuLPを使用して解く方法の一例です。

選挙区ごとに最小の調査費用で有権者の意見を調査するために、調査所の割り当てと調査費用の最小化を目指しています。

最適解は、各調査所が各選挙区にどれだけの調査人数を割り当てるかを示し、最小の調査費用も表示されます。

全ソースコード

以下に、選挙調査に関する最適化問題をPuLPで解くための全コードを示します。

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from pulp import LpProblem, LpVariable, LpInteger, LpMinimize, lpSum, value

# 選挙区の数
num_districts = 5

# 調査所の数
num_polling_stations = 3

# 調査費用
survey_costs = [10, 15, 12]

# 各選挙区の調査人数の制約
min_surveyors = [2, 3, 1, 2, 2]
max_surveyors = [5, 6, 4, 5, 4]

# 問題の作成
problem = LpProblem("Election Survey", LpMinimize)

# 変数の作成
x = {}
for i in range(num_polling_stations):
for j in range(num_districts):
x[i, j] = LpVariable(f"x_{i}_{j}", lowBound=0, cat=LpInteger)

# 目的関数(調査費用の最小化)
problem += lpSum(survey_costs[i] * x[i, j] for i in range(num_polling_stations) for j in range(num_districts))

# 各選挙区には少なくとも1つの調査所が必要
for j in range(num_districts):
problem += lpSum(x[i, j] for i in range(num_polling_stations)) >= 1

# 各選挙区の調査人数の制約
for j in range(num_districts):
problem += lpSum(x[i, j] for i in range(num_polling_stations)) >= min_surveyors[j]
problem += lpSum(x[i, j] for i in range(num_polling_stations)) <= max_surveyors[j]

# 問題を解く
problem.solve()

# 最適解を出力
print("Optimization Status:", problem.status)
print("Minimum Survey Cost:", value(problem.objective))

# 各調査所の割り当て結果を表示
for i in range(num_polling_stations):
for j in range(num_districts):
print(f"Polling Station {i+1} in District {j+1}: {value(x[i, j])}")

上記のコードを実行すると、最適解と各調査所の割り当て結果が出力されます。

[実行結果]
Optimization Status: 1
Minimum Survey Cost: 100.0
Polling Station 1 in District 1: 2.0
Polling Station 1 in District 2: 3.0
Polling Station 1 in District 3: 1.0
Polling Station 1 in District 4: 2.0
Polling Station 1 in District 5: 2.0
Polling Station 2 in District 1: 0.0
Polling Station 2 in District 2: 0.0
Polling Station 2 in District 3: 0.0
Polling Station 2 in District 4: 0.0
Polling Station 2 in District 5: 0.0
Polling Station 3 in District 1: 0.0
Polling Station 3 in District 2: 0.0
Polling Station 3 in District 3: 0.0
Polling Station 3 in District 4: 0.0
Polling Station 3 in District 5: 0.0

最適化の結果、調査費用の最小値は100.0となりました。


調査所の割り当て結果を見ると、例えば”Polling Station 1 in District 1”では2人の調査員が配置されています。

また、”Polling Station 1 in District 4”や”Polling Station 1 in District 5”ではそれぞれ2人ずつの調査員が配置されています。

各調査所の割り当て結果は、有権者の意見を調査するための最適な配置を示しています。


この結果を元に、最小の調査費用で選挙区ごとに調査を行うために必要な調査所の配置調査人数を計画することができます。

敵地輸送コスト最適化 PuLP

敵地輸送コスト最適化

敵地での輸送コスト最小化問題を考えてみましょう。

具体的には、敵地にある複数の拠点から自国の拠点への輸送を最適化する問題です。

以下にPuLPを使用してこの問題を解くためのサンプルコードを示します:

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from pulp import *

# 問題の定義
problem = LpProblem("War Transportation Problem", LpMinimize)

# 変数の定義
base_names = ["Base1", "Base2", "Base3"] # 自国の拠点
enemy_bases = ["Enemy1", "Enemy2", "Enemy3"] # 敵地の拠点

# 輸送量変数
transport_vars = LpVariable.dicts("Transport", (base_names, enemy_bases), lowBound=0, cat="Integer")

# 輸送コスト辞書の定義
transport_cost_dict = {
"Base1": {
"Enemy1": 10,
"Enemy2": 8,
"Enemy3": 6
},
"Base2": {
"Enemy1": 9,
"Enemy2": 7,
"Enemy3": 5
},
"Base3": {
"Enemy1": 11,
"Enemy2": 9,
"Enemy3": 7
}
}

# 目的関数の定義
problem += lpSum(transport_vars[base][enemy] * transport_cost_dict[base][enemy]
for base in base_names for enemy in enemy_bases)

# 制約条件の定義
# 各自国の拠点からの輸送量は、自国の拠点の供給量以下である必要がある
supply_dict = {"Base1": 100, "Base2": 150, "Base3": 200}
for base in base_names:
problem += lpSum(transport_vars[base][enemy] for enemy in enemy_bases) <= supply_dict[base]

# 各敵地の拠点への輸送量は、敵地の拠点の需要量以上である必要がある
demand_dict = {"Enemy1": 80, "Enemy2": 120, "Enemy3": 100}
for enemy in enemy_bases:
problem += lpSum(transport_vars[base][enemy] for base in base_names) >= demand_dict[enemy]

# 最適化の実行
problem.solve()

# 結果の出力
print("Optimal Solution:")
for base in base_names:
for enemy in enemy_bases:
print(f"Transport from {base} to {enemy}: {transport_vars[base][enemy].varValue}")

このコードでは、自国の拠点から敵地の拠点への輸送量を最小化するように最適化問題を設定しています。

自国の拠点と敵地の拠点の数、各拠点の供給量と需要量、および輸送コストを適切に設定する必要があります。


上記のコードを適切に実行することで、最適な輸送計画が得られ、各自国の拠点から敵地の拠点への輸送量が表示されます。

[実行結果]
Optimal Solution:
Transport from Base1 to Enemy1: 30.0
Transport from Base1 to Enemy2: 0.0
Transport from Base1 to Enemy3: 70.0
Transport from Base2 to Enemy1: 0.0
Transport from Base2 to Enemy2: 120.0
Transport from Base2 to Enemy3: 30.0
Transport from Base3 to Enemy1: 50.0
Transport from Base3 to Enemy2: 0.0
Transport from Base3 to Enemy3: 0.0

各自国の拠点から敵地の拠点への輸送量が表示されています。

例えば、”Transport from Base1 to Enemy1: 30.0” は、自国の Base1 から敵地の Enemy1 への輸送量が30であることを示しています。

同様に、他の組み合わせも表示されています。


目的関数である輸送コストを最小化するために、各自国の拠点から敵地の拠点への輸送量が適切に決定されました。

制約条件(自国の拠点の供給量と敵地の拠点の需要量)も満たされています。


最適解を基にしたこの輸送計画は、輸送コストを最小化しながら効率的な物資補給を実現するために活用できます。

ダイエット最適化 PuLP

ダイエット 最適化

ダイエットに関する最適化問題として、ある人が目標とする栄養素やカロリー摂取量を達成するための最小費用を求める問題を考えます。

この問題は、食品の栄養価と価格が与えられた場合、各食品をどの程度摂取するかを決定することによって解決できます。

解法

以下は、PuLPを使用してこの問題を解く例です。

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from pulp import *

# 栄養価と価格のデータ
food = ['apple', 'banana', 'beef', 'chicken', 'milk']
cost = {'apple': 0.5, 'banana': 0.25, 'beef': 2.5, 'chicken': 1.5, 'milk': 0.4}
calories = {'apple': 50, 'banana': 100, 'beef': 250, 'chicken': 150, 'milk': 120}
protein = {'apple': 0.5, 'banana': 1.0, 'beef': 25, 'chicken': 30, 'milk': 8}
fat = {'apple': 0.2, 'banana': 0.4, 'beef': 18, 'chicken': 5, 'milk': 5}
carbs = {'apple': 13, 'banana': 27, 'beef': 0, 'chicken': 0, 'milk': 12}

# 目標とする栄養素の量
target_calories = 1500
target_protein = 100
target_fat = 50
target_carbs = 200

# 問題を定義する
prob = LpProblem("diet problem", LpMinimize)

# 各食品の摂取量を表す変数を定義する
food_vars = LpVariable.dicts("food", food, lowBound=0, cat='Continuous')

# 目的関数を定義する
prob += lpSum([cost[f] * food_vars[f] for f in food]), "Total Cost"

# 制約条件を定義する
prob += lpSum([calories[f] * food_vars[f] for f in food]) >= target_calories, "Calories Minimum"
prob += lpSum([calories[f] * food_vars[f] for f in food]) <= target_calories + 100, "Calories Maximum"
prob += lpSum([protein[f] * food_vars[f] for f in food]) >= target_protein, "Protein Minimum"
prob += lpSum([fat[f] * food_vars[f] for f in food]) >= target_fat, "Fat Minimum"
prob += lpSum([carbs[f] * food_vars[f] for f in food]) >= target_carbs, "Carbs Minimum"

# 問題を解く
prob.solve()

# 結果を表示する
print("Status:", LpStatus[prob.status])
for v in prob.variables():
print(v.name, "=", v.varValue)
print("Total Cost =", value(prob.objective))

この例では、最小化したい変数を cost[f] * food_vars[f] で表し、目的関数は lpSum([cost[f] * food_vars[f] for f in food]) として定義されています。

制約条件は、それぞれの栄養素の最小値を表す不等式制約として設定されています。

また、各変数の下限は0に、上限は指定されていません。


最適化問題をPuLPで解いた結果、各食品の摂取量が計算され、総費用も表示されます。

これにより、与えられた栄養目標を達成する最小費用が求められます。


上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

[実行結果]
Status: Optimal
food_apple = 0.0
food_banana = 2.745098
food_beef = 0.0
food_chicken = 0.44444444
food_milk = 10.490196
Total Cost = 5.54901956

Status: Optimalという結果が得られたことから、問題が最適化されたことがわかります。

さらにバナナを2.74、鶏肉を0.44、牛乳を10.49摂取すると、目標のカロリー、タンパク質、脂質、炭水化物を達成することができ、総費用は5.549ドルになることを示しています。

税金 最適化 PuLP

税金 最適化

税金に関する最適化問題の例として、税金の申告を行う個人が受ける税金控除の種類や額を最適に選択する問題を考えてみましょう。

具体的には、以下のような問題設定を考えます。


ある個人が申告する税金の総額を $T$ とします。

この個人は、以下のような種類の税金控除を受けることができます。

🔹住宅ローン控除: 最大で $H$ 円までの住宅ローンの利息を控除できる。
🔹教育費控除: 最大で $E$ 円までの教育費を控除できる。
🔹寄附金控除: 寄附金のうち、最大で $D$ 円までを控除できる。

この個人は、これらの控除を組み合わせて、総支払額である $T$ 円を最小限に抑えたいと考えています。

解法

最小限の支払額を求めるために、PuLPを用いた線形計画法を適用してみましょう。

数学モデルを以下に示します。

【変数】

🔹$h$: 住宅ローン控除額
🔹$e$: 教育費控除額
🔹$d$: 寄附金控除額

【目的関数】

🔹$\min$ $T - (h+e+d)$

【制約条件】

🔹住宅ローン控除は $H$ 円以内でなければならない:$h \leq H$
🔹教育費控除は $E$ 円以内でなければならない:$e \leq E$
🔹寄附金控除は $D$ 円以内でなければならない:$d \leq D$
🔹総控除額は総支払額 $T$ 以下でなければならない:$h+e+d \leq T$

PuLPを使ってこの問題を解くには、以下のようになります。

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from pulp import *

# 最大の住宅ローン控除額
H = 500000

# 最大の教育費控除額
E = 100000

# 最大の寄附金控除額
D = 30000

# 総支払額
T = 1000000

# 問題を定義
prob = LpProblem("tax_optimization", LpMinimize)

# 変数を定義
h = LpVariable("h", 0, H)
e = LpVariable("e", 0, E)
d = LpVariable("d", 0, D)

# 目的関数を定義
prob += T - (h + e + d)

# 制約条件を定義
prob += h <= H
prob += e <= E
prob += d <= D
prob += h + e + d <= T

# 最適化を実行
status = prob.solve()

# 結果を表示
print(f"Status: {LpStatus[status]}")
print(f"Optimal value: {value(prob.objective)}")
print(f"h: {value(h.value())}, e: {value(e.value())}, d: {value(d.value())}")

このコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

[実行結果]
Status: Optimal
Optimal value: 370000.0
h: 500000.0, e: 100000.0, d: 30000.0

この結果から、総支払額 $T$ が $1000000$ 円の場合、最小限の支払額は $370000$ 円であり、そのうち $500000$ 円が住宅ローン控除、$100000$ 円が教育費控除、$30000$ 円が寄附金控除であることがわかります。

給食 最適化 PuLP

給食 最適化

給食に関する最適化問題の例として、以下の問題を考えてみます。

ある学校では、毎日ランチとしてA,B,Cの3種類のメニューから1つを提供します。

各メニューには以下のような栄養素が含まれます。

栄養素メニューAメニューBメニューC
カロリー700 kcal600 kcal800 kcal
タンパク質30 g25 g20 g
脂質10 g15 g20 g
炭水化物50 g40 g60 g

また、各クラスには生徒が20名ずつ在籍しており、1日に必要な栄養素の量は以下の通りとします。

栄養素必要量
カロリー10000 kcal
タンパク質500 g
脂質200 g
炭水化物700 g

このとき、1日の給食で提供する各メニューの量を決定し、必要な栄養素を満たすことができる最小のコストを求める最適化問題を考えます。

解法

下記のコードでは、変数a,b,cをそれぞれメニューA,B,Cの提供量とし、目的関数 2a + 3b + 4c を最小化するように設定しています。

制約条件は、各栄養素の必要量を満たすように設定しています。

最後に、PuLPのsolve()メソッドを呼び出して最適化問題を解き、結果を出力しています。

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import pulp

# 問題の定義
problem = pulp.LpProblem('school_lunch', pulp.LpMinimize)

# 変数の定義
a = pulp.LpVariable('a', lowBound=0, cat='Continuous')
b = pulp.LpVariable('b', lowBound=0, cat='Continuous')
c = pulp.LpVariable('c', lowBound=0, cat='Continuous')

# 目的関数の定義
problem += 2 * a + 3 * b + 4 * c

# 制約条件の定義
problem += 700 * a + 600 * b + 800 * c >= 10000
problem += 30 * a + 25 * b + 20 * c >= 500
problem += 10 * a + 15 * b + 20 * c >= 200
problem += 50 * a + 40 * b + 60 * c >= 700

# 問題の解法
status = problem.solve()

# 解の出力
print('Result:')
print(f'a: {pulp.value(a)}')
print(f'b: {pulp.value(b)}')
print(f'c: {pulp.value(c)}')
print(f'Minimum Cost: {pulp.value(problem.objective)}')

実際に上記のコードを実行すると、以下のような結果が得られます。

[実行結果]
Result:
a: 15.0
b: 0.0
c: 2.5
Minimum Cost: 40.0

この結果から、メニューAを15人分、メニューBを0人分、メニューCを2.5人分提供することで、必要な栄養素を満たすことができ、最小のコストは40であることがわかります。

おにごっこ最適化 PuLP

おにごっこ最適化

おにごっこに関する最適化問題の例として、5人でおにごっこをする場合、どのように逃げた方が最適か?という問題を考えてみます。

解法

以下は、PuLPを用いた解法です。

まず、必要なライブラリをインポートします。

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from pulp import *

次に、問題の定式化を行います。この問題では、以下のようになります。

🔹変数
 x_i (i = 1, 2, …, 5): i番目の逃げる場所に行くかどうか (1: 逃げる, 0: 逃げない)
🔹目的関数
 逃げる人数の最大化
🔹制約条件
 逃げる人数は4人以下

これをPuLPで表現すると、以下のようになります。

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# 問題の定義
prob = LpProblem('Onigokko', LpMaximize)

# 変数の定義
x = [LpVariable('x{}'.format(i), cat='Binary') for i in range(1, 6)]

# 目的関数の定義
prob += lpSum(x)

# 制約条件の定義
prob += lpSum(x) <= 4

ここで、lpSum()はPuLPが提供する関数で、与えられたリストの要素の和を計算します。

制約条件は、<=で表現しています。


次に、PuLPを使って求解を行います。

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# 求解
status = prob.solve()

このようにして、求解が終了しました。最後に、結果を表示してみます。

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# 結果を表示
print('Status:', LpStatus[status])
for i in range(1, 6):
print('x{} = {}'.format(i, int(value(x[i - 1]))))
print('Optimal value:', value(prob.objective))

これを実行すると、以下のような結果が得られます。

[実行結果]
Status: Optimal
x1 = 1
x2 = 1
x3 = 1
x4 = 1
x5 = 0
Optimal value: 4.0

結果から、最適解が得られ、1番目、2番目、3番目、4番目の場所に逃げることが最適解になることが分かりました。

また、逃げる人数は4人であることも分かります。

出店最適化 PuLP

出店最適化

あなたはピザ店を経営しており、新しい店舗を出店することにしました。

出店する場所は3つあり、それぞれの場所には以下のような特徴があります。

🔹場所1:人口密度が高いが、家賃が高い
🔹場所2:人口密度が低いが、家賃が安い
🔹場所3:人口密度と家賃のバランスがとれている


あなたは、出店する店舗の場所を最適化することにしました。

以下の制約条件を考慮して、各場所の評価スコアを計算し、最も評価スコアが高い場所に店舗を出店することにしました。

🔹店舗の出店数は1つ
🔹店舗の出店費用はすべて同じ
🔹各場所には、人口密度、家賃、および場所による固有の評価スコアがあります。
 評価スコアは0から100までのスケールで測定されます。
🔹人口密度が高い場所ほど評価スコアが高くなるが、家賃が高い場合は低くなる。
🔹家賃が安い場所ほど評価スコアが高くなるが、人口密度が低い場合は低くなる。
🔹人口密度と家賃のバランスがとれている場所ほど評価スコアが高くなる。


各場所の人口密度、家賃、および場所による固有の評価スコアは以下の通りとします。

場所人口密度家賃評価スコア
19010070
2505050
3707080

解法

PuLPを使って最適化問題を解いてみましょう。

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# ①必要なライブラリをインポート
from pulp import *

# ②問題を定義する
prob = LpProblem('出店最適化', LpMaximize)

# ③変数を定義する
x1 = LpVariable('場所1', 0, 1, LpInteger)
x2 = LpVariable('場所2', 0, 1, LpInteger)
x3 = LpVariable('場所3', 0, 1, LpInteger)

# ④目的関数を定義する
prob += 70 * x1 + 50 * x2 + 80 * x3

# ⑤制約条件を定義する
prob += x1 + x2 + x3 == 1
prob += 90 * x1 + 50 * x2 + 70 * x3 <= 100
prob += 100 * x1 + 50 * x2 + 70 * x3 <= 100

# ⑥最適化を実行する
status = prob.solve()

# ⑦結果を表示する
print('出店する場所:', end=' ')
if x1.value() == 1:
print('場所1')
elif x2.value() == 1:
print('場所2')
elif x3.value() == 1:
print('場所3')

print('最適な評価スコア:', value(prob.objective))

①必要なライブラリをインポート

PuLPを使うために必要なライブラリをインポートしています。

②問題を定義する

LpProblem関数を使って問題を定義します。

第一引数には問題の名前を指定し、第二引数には最大化か最小化かを指定します。

ここでは「出店最適化」という名前で最大化問題を定義しています。

③変数を定義する

LpVariable関数を使って変数を定義します。

第一引数には変数の名前を指定し、第二引数には変数の下限値、第三引数には変数の上限値、第四引数には変数の型(整数値か連続値か)を指定します。

ここでは、場所1、場所2、場所3の3つの変数を定義しています。各変数は0または1の整数値をとります。

④目的関数を定義する

目的関数を定義します。

ここでは、ピザ店を出店する場所によって得られる評価スコアを最大化するように設定しています。

場所1に出店すると70点、場所2に出店すると50点、場所3に出店すると80点の評価スコアが得られると仮定しています。

⑤制約条件を定義する

制約条件を定義します。ここでは、以下の条件を設定しています。

🔹出店する場所は1つだけである。
🔹場所1、場所2、場所3のそれぞれで得られる評価スコアが、100点以下である。

⑥最適化を実行する

LpProblem関数で定義した問題を解くために、solveメソッドを呼び出します。

解を求めるアルゴリズムはPuLPが自動的に選択します。

⑦結果を表示する

解の値を出力します。value関数を使って目的関数の値を取得しています。


上記のコードを実行すると、以下のように結果が表示されます。

[実行結果]
出店する場所: 場所3
最適な評価スコア: 80.0

この結果から、ピザ店を出店する最適な場所は場所3であり、評価スコアは80点であることが分かります。


今回の例では、ピザ店を出店する場所を最適化する問題を定義し、PuLPを使って解くことで、最適な出店場所とそのときの評価スコアを求めました。

薬の処方 PuLP

薬の処方

薬の処方に関する最適化問題を考えてみます。

例えば、ある患者に対して複数の薬剤が処方される場合、以下のような問題を最適化することができます。


目的:

 🔹与えられた症状や疾患に最も効果的な薬剤の組み合わせを見つける。

制約条件:

 🔹処方された薬剤の総量が過剰でないこと。
 🔹薬剤の相互作用がないこと。
 🔹薬剤の副作用を最小化すること。
 🔹患者のアレルギーや過去の治療経験を考慮すること。

解法

この問題をPuLPを使って解くには、以下のような手順を踏むことができます。

1. 処方された薬剤を変数として定義する。
2. 目的関数を定義する。

 薬剤の総効果を最大化します。

3. 制約条件を定義する。

 薬剤の総量が過剰でないこと、薬剤の相互作用がないこと、薬剤の副作用を最小化すること、患者のアレルギーや過去の治療経験を考慮することなどが挙げられます。

4. PuLPを使って問題を解く。
5. 解を出力する。

 どの薬剤をどの程度処方するかを表示します。


以下は、PuLPを使って薬の処方問題を解く例です。

この例では、ある疾患に対して3種類の薬剤が処方される場合を考えます。

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from pulp import *

# 変数の定義
x1 = LpVariable("x1", lowBound=0)
x2 = LpVariable("x2", lowBound=0)
x3 = LpVariable("x3", lowBound=0)

# 目的関数の定義
prob = LpProblem("Prescription", LpMaximize)
prob += 2*x1 + 3*x2 + 4*x3

# 制約条件の定義
prob += x1 + x2 + x3 <= 1000
prob += 0.5 * x1 + x2 + x3 <= 800
prob += x1 + x2 + 2 * x3 <= 1500

# 問題を解く
status = prob.solve()

# 結果の出力
print("Status:", LpStatus[status])
print("Optimal Solution:")
for v in prob.variables():
print(v.name, "=", v.varValue)
print("Optimal Value =", value(prob.objective))

この例では、薬剤x1、x2、x3の各総量が制限内で最も効果的な組み合わせを求めることが目的となります。

変数x1、x2、x3はそれぞれ、薬剤x1、x2、x3の総量を表しています。

目的関数は、薬剤の総効果を最大化するように定義されています。

制約条件は、各薬剤の総量が規定の制限内に収まるように設定されています。


この例では、PuLPを使って簡単に最適な薬剤の組み合わせを求めることができます。

実際の医療現場では、このような最適化技術が、医師の意思決定を支援するツールとして役立つことが期待されています。


上記のコードを実行すると、以下のように結果が表示されます。

[実行結果]
Status: Optimal
Optimal Solution:
x1 = 0.0
x2 = 100.0
x3 = 700.0
Optimal Value = 3100.0

これは、薬剤x1を0単位、薬剤x2を100単位、薬剤x3を700単位処方することで、疾患に対する最大の効果が得られることを示しています。

また、最適な薬剤の組み合わせによって、総効果は3100となります。