統計分析 SciPy

統計分析

統計分析の一例として、t検定を用いた2つのサンプル間の平均値の差の検定を行います。

以下に、SciPyを使ってt検定を実行する方法を示します。


まず、2つのサンプルデータを用意します。

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sample1 = [12, 15, 16, 18, 19, 22, 24, 25, 26, 28]
sample2 = [20, 22, 24, 26, 28, 30, 32, 34, 36, 38]

次に、SciPyのstatsモジュールをインポートし、ttest_ind関数を使ってt検定を実行します。

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from scipy import stats

t_statistic, p_value = stats.ttest_ind(sample1, sample2)

t_statisticはt統計量、p_valueはp値を表します。

p値が有意水準(例えば0.05)よりも小さい場合、帰無仮説(2つのサンプル間に平均値の差がない)を棄却し、対立仮説(2つのサンプル間に平均値の差がある)を採択します。

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alpha = 0.05
if p_value < alpha:
print("帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。2つのサンプル間に平均値の差があります。")
else:
print("帰無仮説を採択します。2つのサンプル間に平均値の差はありません。")

この例では、sample1sample2のデータを用いてt検定を実行し、2つのサンプル間に平均値の差があるかどうかを検定しています。

[実行結果]
帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。2つのサンプル間に平均値の差があります。

グラフ化

結果をグラフ化するために、MatplotlibSeabornを使ってデータの分布を可視化し、t検定の結果を理解しやすくします。

以下のコードで、2つのサンプルデータのヒストグラム箱ひげ図を作成できます。


まず、必要なライブラリをインポートします。

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import matplotlib.pyplot as plt
import seaborn as sns

次に、ヒストグラムを作成します。

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plt.hist(sample1, alpha=0.5, label='Sample 1')
plt.hist(sample2, alpha=0.5, label='Sample 2')
plt.xlabel('Value')
plt.ylabel('Frequency')
plt.legend(loc='upper right')
plt.title('Histogram of Sample 1 and Sample 2')
plt.show()
[実行結果]

このヒストグラムでは、sample1sample2のデータ分布が重なっている部分が少ないことがわかります。

これは、2つのサンプル間に平均値の差があることを示唆しています。


さらに、箱ひげ図を作成してデータの分布を確認します。

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sns.boxplot(data=[sample1, sample2])
plt.xlabel('Sample')
plt.ylabel('Value')
plt.title('Boxplot of Sample 1 and Sample 2')
plt.xticks([0, 1], ['Sample 1', 'Sample 2'])
plt.show()
[実行結果]

箱ひげ図では、sample1sample2中央値四分位範囲外れ値が表示されます。

この図からも、2つのサンプル間に平均値の差があることがわかります。


これらのグラフを使って、t検定の結果を視覚的に確認できます。

グラフにより、2つのサンプル間に平均値の差があることが示されているため、t検定の結果が理解しやすくなります。

解釈

グラフによる結果の確認が終わったら、t検定の結果を詳しく解釈しましょう。

先ほどのt検定の結果を再度表示します。

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print(f"t統計量: {t_statistic:.2f}")
print(f"p値: {p_value:.5f}")
[実行結果]
t統計量: -3.34
p値: 0.00364

t統計量p値を見て、帰無仮説(2つのサンプル間に平均値の差がない)を棄却するかどうかを判断します。

p値が有意水準(例えば0.05)よりも小さい場合、帰無仮説を棄却し、対立仮説(2つのサンプル間に平均値の差がある)を採択します。

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alpha = 0.05
if p_value < alpha:
print("帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。2つのサンプル間に平均値の差があります。")
else:
print("帰無仮説を採択します。2つのサンプル間に平均値の差はありません。")
[実行結果]
帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。2つのサンプル間に平均値の差があります。

この例では、グラフとt検定の結果から、sample1sample2の間に平均値の差があることが示されています。

これにより、データを分析し、2つのサンプル間の違いを定量的に評価することができます。

統計分析を通じて、データに潜むパターンや関係性を明らかにし、意思決定や予測に役立てることができます。

微分 SciPy

微分

例題:

$y = x^3 - 6x^2 + 9x + 1$ の微分を求めてください。

解法

この例題を解くために、PythonのSciPyライブラリを使用します。

まず、必要なライブラリをインポートし、微分を計算する関数を定義します。

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import numpy as np
from scipy.misc import derivative

def func(x):
return x**3 - 6*x**2 + 9*x + 1

def derivative_func(x):
return derivative(func, x, dx=1e-6)

derivative_func関数は、与えられたxの値におけるfunc関数の微分を計算します。

dxパラメータは、微分を計算する際の数値微分のステップサイズです。

例えば、$x = 2$ のときの微分を求めるには、以下のように実行します。

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x = 2
result = derivative_func(x)
print(f"微分の結果: {result}")

これにより、$x = 2$ のときの微分の値が得られます。

[実行結果]
微分の結果: -3.000000000419334

同様に、他の $x$ の値に対しても微分を計算することができます。

グラフ化

この例題の関数 $y = x^3 - 6x^2 + 9x + 1$ とその微分をグラフ化して説明します。

まず、必要なライブラリをインポートし、グラフを描画する関数を定義します。

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import matplotlib.pyplot as plt

def plot_function_and_derivative():
x_values = np.linspace(-1, 7, 1000)
y_values = [func(x) for x in x_values]
dy_values = [derivative_func(x) for x in x_values]

plt.figure(figsize=(10, 6))
plt.plot(x_values, y_values, label='y = x^3 - 6x^2 + 9x + 1')
plt.plot(x_values, dy_values, label="y' (differential)")
plt.xlabel('x')
plt.ylabel('y')
plt.legend()
plt.title('graph of a function and its derivative')
plt.grid()
plt.show()

plot_function_and_derivative()

このコードは、関数 $y = x^3 - 6x^2 + 9x + 1$ とその微分をグラフ化します。

[実行結果]

x軸の範囲は $-1$ から $7$ までで、$1000$ 個の点を使用してグラフを描画しています。

グラフから、元の関数が極大値極小値を持っていることがわかります。

微分のグラフがx軸と交差する点は、元の関数の極値(最大値または最小値)が存在する点です。

また、微分のグラフが正の値を持つ場合、元の関数は増加しており、微分のグラフが負の値を持つ場合、元の関数は減少していることがわかります。

積分 SciPy

積分

SciPyを使って、積分の例題を解いていきます。

例題:

$sin(x)$を$0$から$ \pi $まで積分してください。

解法

SciPyを使ってこの問題を解決するために、まず必要なライブラリをインポートします。

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import numpy as np
from scipy.integrate import quad
import math

次に、積分する関数を定義します。

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def func(x):
return np.sin(x)

そして、quad関数を使って積分を計算します。

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lower_limit = 0
upper_limit = math.pi

result, error = quad(func, lower_limit, upper_limit)
print("積分結果:", result)
print("誤差:", error)

このコードを実行すると、$ sin(x) $関数の$ 0 $から$ \pi $までの積分結果が得られます。

[実行結果]
積分結果: 2.0
誤差: 2.220446049250313e-14

グラフ化

matplotlibライブラリを使用してグラフを作成します。

まず、必要なライブラリをインポートします。

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import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
import math

次に、$ sin(x) $関数のグラフをプロットし、積分範囲を示すために、その領域を塗りつぶします。

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x = np.linspace(0, 2 * math.pi, 1000)
y = np.sin(x)

plt.plot(x, y, label='sin(x)')
plt.fill_between(x, y, where=[(0 <= val <= math.pi) for val in x], alpha=0.3, label='積分範囲')

plt.xlabel('x')
plt.ylabel('sin(x)')
plt.title('integral of sin(x) from 0 to pi')
plt.legend()
plt.grid()
plt.show()

このコードを実行すると、$ sin(x) $関数のグラフが表示され、$ 0 $から$ \pi $までの積分範囲が塗りつぶされた領域で示されます。

[実行結果]

この領域の面積は、先ほど計算した積分結果に相当します。

グラフからわかるように、$ sin(x) $関数は$ 0 $から$ \pi $までの範囲で正の値をとり、積分結果はこの範囲での$ sin(x) $関数の面積を表しています。


$ sin(x) $関数の$ 0 $から$ \pi $までの積分は、波形の周期性を考慮すると、物理学や工学などの分野で重要な意味を持ちます。

この積分は周期関数の一部分の面積を求めることで、信号処理や波動解析において役立ちます。


さらに、積分の結果を利用して、$ sin(x) $関数の平均値を求めることもできます。

平均値は、積分結果を積分範囲で割ることで計算できます。

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integral_result = result  # 先ほど計算した積分結果
average_value = integral_result / (upper_limit - lower_limit)
print("sin(x)の0からπまでの平均値:", average_value)
[実行結果]
sin(x)の0からπまでの平均値: 0.6366197723675814

平均値は、$ 0 $から$ \pi $までの範囲での$ sin(x) $関数の振る舞いを要約する指標として使用できます。

例えば、信号処理において、この平均値は信号の強度やバイアスを評価するために役立ちます。

このように、積分は関数の特性を理解し、さまざまな応用問題を解決するための基本的な数学的手法です。

SciPyを使用することで、これらの問題を効率的に解決できます。

物理学への応用

物理学における運動方程式を用いた例題を考えます。

ある物体が初速度 $v0$ で等加速度運動を行っているとします。

この物体の速度 $v(t)$ は時間tに対して次の関数で表されます。

$ v(t) = v0 + a \times t $

ここで、aは加速度です。物体の位置 $ x(t) $ は速度関数 $ v(t) $ を時間tに関して積分することで求めることができます。

例題

例題: 初速度 $ v0 = 0 m/s $、加速度 $ a = 9.81 m/s² $ で等加速度運動を行う物体がある。

この物体の位置 $ x(t) $ を求め、$t = 0 $ から $ t = 5 $ 秒までの範囲でグラフ化してください。

まず、必要なライブラリをインポートします。

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import numpy as np
from scipy.integrate import quad
import matplotlib.pyplot as plt

次に、速度関数 $ v(t) $ を定義します。

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v0 = 0
a = 9.81

def velocity(t):
return v0 + a * t

位置関数 $ x(t) $ を求めるために、速度関数を積分します。

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def position(t):
result, _ = quad(velocity, 0, t)
return result

最後に、$ t = 0 $から$ t = 5 $秒までの範囲で位置関数$ x(t) $をグラフ化します。

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time = np.linspace(0, 5, 100)
position_values = np.array([position(t) for t in time])

plt.plot(time, position_values, label='x(t)')
plt.xlabel('time (sec)')
plt.ylabel('position (meter)')
plt.legend()
plt.grid()
plt.show()

このコードを実行すると、物体の位置$ x(t) $が時間tに対してどのように変化するかを示すグラフが表示されます。

[実行結果]

このグラフから、物体が等加速度運動を行っていることがわかります。

物理学において、積分はこのように運動方程式を解析し、物体の運動を理解するための重要な手法です。


この例題では、物体が等加速度運動を行っていることがわかりました。

さらに、物体の運動に関する他の情報を求めることができます。

例えば、物体が最初の5秒間で移動する距離や、5秒後の速度を計算できます。

物体が最初の5秒間で移動する距離は、位置関数$ x(t) $を$ t = 5 $で評価することで求められます。

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distance_5s = position(5)
print("5秒後の物体の位置:", distance_5s, "メートル")
[実行結果]
5秒後の物体の位置: 122.625 メートル

5秒後の速度は、速度関数$ v(t) $を$ t = 5 $で評価することで求められます。

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velocity_5s = velocity(5)
print("5秒後の物体の速度:", velocity_5s, "m/s")
[実行結果]
5秒後の物体の速度: 49.050000000000004 m/s

このように、積分を用いて物体の運動に関するさまざまな情報を求めることができます。

物理学では、積分は運動方程式を解析するだけでなく、力学、電磁気学、熱力学などの分野でも広く応用されています。

積分は、物理現象を理解し、予測するための基本的な数学的手法です。

ロケット垂直上昇問題 SciPy

Scipyとは

SciPyは、Pythonで科学技術計算を行うためのオープンソースのライブラリです。

NumPyを基盤としており、高度な数学関数、線形代数、最適化、統計、信号処理、画像処理などの機能を提供しています。

SciPyは、科学技術計算において広く使用されており、データ解析や機械学習の分野でも重要な役割を果たしています。


SciPyの主な機能は以下の通りです。

1. 線形代数(scipy.linalg):

行列の分解や逆行列の計算、線形方程式の解法など、線形代数の基本的な操作を提供します。

2. 最適化(scipy.optimize):

非線形方程式の解法、最小化問題、最適化問題、制約付き最適化など、最適化アルゴリズムを提供します。

3. 統計(scipy.stats):

確率分布、統計的検定、相関、回帰分析など、統計分析に関する機能を提供します。

4. 信号処理(scipy.signal):

フィルタリング、ウィンドウ関数、スペクトル解析など、信号処理に関する機能を提供します。

5. 画像処理(scipy.ndimage):

画像のフィルタリング、形態学的操作、変換など、画像処理に関する機能を提供します。

6. 積分(scipy.integrate):

数値積分、常微分方程式の解法など、積分に関する機能を提供します。

7. 補間(scipy.interpolate):

線形補間、スプライン補間、多次元補間など、データ間の補間に関する機能を提供します。

8. 特殊関数(scipy.special):

ガンマ関数、ベータ関数、誤差関数など、特殊関数の計算を提供します。

これらの機能を利用することで、Pythonで科学技術計算を効率的に行うことができます。

SciPyは、研究や開発において幅広く活用されており、Pythonのエコシステムにおいて重要な位置を占めています。

ロケット垂直上昇問題

最適制御問題の一例として、簡単なロケットの垂直上昇問題を考えます。

ロケットの質量は$ m $、重力加速度は$ g $、推力は$ u $とします。

目標は、ロケットの高さを最大化することです。

制約条件として、燃料の消費量に制限があります。

この問題をSciPyを使って解きます。


まず、必要なライブラリをインポートします。

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import numpy as np
from scipy.integrate import solve_ivp
from scipy.optimize import minimize

次に、ロケットの運動方程式を定義します。

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def rocket_dynamics(t, y, u):
m = 1.0 # mass of the rocket
g = 9.81 # gravitational acceleration

# y[0] is the height, y[1] is the velocity
dydt = [y[1], u / m - g]
return dydt

制御変数uを決定するために、最適化問題を定義します。

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def objective(u):
# Initial conditions
y0 = [0, 0] # initial height and velocity

# Integrate the rocket dynamics with the given control input u
sol = solve_ivp(rocket_dynamics, [0, 1], y0, args=(u,), t_eval=[1])

# The objective is to maximize the height, so we minimize the negative height
return -sol.y[0][-1]

燃料の消費量に関する制約条件を定義します。

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def fuel_constraint(u):
max_fuel = 10 # maximum fuel consumption
return max_fuel - abs(u)

制約条件を設定し、最適化問題を解きます。

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constraints = {'type': 'ineq', 'fun': fuel_constraint}
result = minimize(objective, 0, constraints=constraints)

最適な制御入力と最大高度を表示します。

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optimal_u = result.x[0]
max_height = -result.fun
print(f"Optimal control input: {optimal_u}")
print(f"Maximum height: {max_height}")

このコードは、ロケットの垂直上昇問題を最適制御問題として定式化し、SciPyを使って解いています。

最適な制御入力と最大高度が得られます。

[実行結果]
Optimal control input: 10.0
Maximum height: 0.0949999999999997

グラフ化

ロケットの高さと速度を時間の関数としてプロットします。

最適制御入力optimal_uを使用して、ロケットの運動方程式を解き、結果をグラフ化します。


まず、必要なライブラリをインポートします。

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import matplotlib.pyplot as plt

次に、最適制御入力を使用してロケットの運動方程式を解きます。

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t_eval = np.linspace(0, 1, 100)
y0 = [0, 0] # initial height and velocity
sol = solve_ivp(rocket_dynamics, [0, 1], y0, args=(optimal_u,), t_eval=t_eval)

最後に、高さと速度を時間の関数としてプロットします。

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plt.figure(figsize=(10, 5))

plt.subplot(1, 2, 1)
plt.plot(t_eval, sol.y[0])
plt.xlabel('Time (s)')
plt.ylabel('Height (m)')
plt.title('Height vs Time')

plt.subplot(1, 2, 2)
plt.plot(t_eval, sol.y[1])
plt.xlabel('Time (s)')
plt.ylabel('Velocity (m/s)')
plt.title('Velocity vs Time')

plt.tight_layout()
plt.show()

このコードは、最適制御入力optimal_uを使用してロケットの運動方程式を解き、高さと速度を時間の関数としてプロットします。

[実行結果]

左のグラフは、ロケットの高さが時間とともにどのように変化するかを示しています。

右のグラフは、ロケットの速度が時間とともにどのように変化するかを示しています。

最適制御入力を使用すると、ロケットの高さが最大化されることがわかります。

販売戦略 最適化 CVXPY

販売戦略 最適化

販売戦略の最適化問題として、広告予算の最適配分を考えます。

複数の広告チャンネルがあり、それぞれのチャンネルに投資する金額によって、売上がどの程度増加するかが異なります。

目標は、限られた予算の中で最大の売上を達成することです。

解法

以下は、CVXPYを使用してこの問題を解決する例です。

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import cvxpy as cp
import numpy as np

# チャンネル数
n_channels = 3

# 各チャンネルの広告効果 (売上増加率)
ad_effects = np.array([0.05, 0.1, 0.15])

# 広告予算の上限
budget = 10000

# 各チャンネルに投資する金額の変数
ad_spend = cp.Variable(n_channels)

# 制約条件
constraints = [
ad_spend >= 0, # 各チャンネルの広告費は0以上
cp.sum(ad_spend) <= budget # 広告費の合計が予算を超えない
]

# 目的関数 (売上増加額の最大化)
objective = cp.Maximize(ad_effects @ ad_spend)

# 最適化問題を定義
prob = cp.Problem(objective, constraints)

# 最適化問題を解く
result = prob.solve()

# 結果を表示
print("Optimal ad spend:", ad_spend.value)
print("Maximum sales increase:", result)

この例では、3つの広告チャンネルがあり、それぞれのチャンネルに対する広告効果が異なります。

広告予算の上限は10000としています。

CVXPYを使用して、最適な広告費配分を求め、最大の売上増加額を計算しています。

実行結果

コードを実行すると次のような結果が表示されます。

[実行結果]
Optimal ad spend: [1.67535360e-05 5.65473765e-06 9.99999996e+03]
Maximum sales increase: 1499.9999958077299

この実行結果は、最適化された広告費配分と、その配分によって得られる最大の売上増加額を示しています。


🔹Optimal ad spend: [1.67535360e-05 5.65473765e-06 9.99999996e+03]

この配列は、各広告チャンネルに割り当てられた最適な広告費を示しています。

Channel 1には約0.00001675(1.67535360e-05)の予算が割り当てられ、Channel 2には約0.00000565(5.65473765e-06)の予算が割り当てられています。

一方、Channel 3にはほぼ全予算(9,999.99996)が割り当てられています。

これは、Channel 3の広告効果が最も高いため、予算のほとんどがこのチャンネルに割り当てられていることを示しています。

Channel 1とChannel 2の広告効果は低いため、それらのチャンネルに割り当てられる予算は非常に少なくなっています。


🔹Maximum sales increase: 1499.9999958077299

この値は、最適化された広告費配分によって得られる最大の売上増加額を示しています。

この例では、最適な広告費配分を使用することで、売上が約1500(1499.9999958077299)増加することが予測されています。

この結果をもとに、企業は広告予算を効果的に配分し、売上を最大化することができます。

グラフ化

最適化された広告費配分の結果を棒グラフで表示します。

このコードは、matplotlibを使用してグラフを描画します。

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import matplotlib.pyplot as plt

# 最適化された広告費配分
optimal_ad_spend = ad_spend.value

# チャンネル名
channel_names = ['Channel 1', 'Channel 2', 'Channel 3']

# 棒グラフを描画
plt.bar(channel_names, optimal_ad_spend)
plt.xlabel('Channels')
plt.ylabel('Ad Spend')
plt.title('Optimal Ad Spend Allocation')

# グラフを表示
plt.show()
[実行結果]

このグラフは、最適化された広告費配分を示しています。

各棒は、それぞれの広告チャンネルに割り当てられた予算を表しています。

この結果から、広告効果が高いチャンネルに予算がより多く割り当てられていることがわかります。

これにより、限られた予算の中で最大の売上増加額を達成することができます。

まとめ

最適化された広告費配分を利用して、企業は効果的な販売戦略を実行できます。

この結果をもとに、企業は以下のようなアクションを取ることができます。

  1. 広告効果が高いチャンネルに予算を集中させることで、売上増加額を最大化します。
    この例では、Channel 3が最も効果的であるため、予算の大部分が割り当てられています。

  2. 低い広告効果のチャンネルに対しては、予算を削減し、より効果的なチャンネルへの投資を増やすことができます。
    この例では、Channel 1の広告効果が最も低いため、予算が最も少なく割り当てられています。

  3. 最適化された広告費配分を定期的に見直し、市場状況や広告チャンネルの変化に対応することが重要です。
    新しい広告チャンネルが登場したり、既存のチャンネルの効果が変化した場合、最適化を再度実行して最新の状況に合わせた戦略を立てることができます。

  4. さらに、広告効果のデータを収集し続けることで、最適化モデルを改善し、より正確な予算配分を実現できます。
    データの収集と分析を通じて、広告効果の予測精度を向上させることができます。

最適化された広告費配分を活用することで、企業は限られた予算を効果的に活用し、売上を最大化することができます。

このアプローチは、販売戦略だけでなく、他のビジネス領域でも適用可能であり、リソースの効率的な配分に役立ちます。

最小ジャーク(最小急加速度)軌道計画 CVXPY

最小ジャーク(最小急加速度)軌道計画

ロボットの運動計画において、一般的な凸最適化問題の例として、最小ジャーク(最小急加速度)軌道計画があります。

この問題では、ロボットが始点から終点までの間で、急加速度(jerk)を最小化する軌道を見つけることが目的です。

以下に、CVXPYを使用して最小ジャーク軌道計画問題を解くPythonコードを示します。

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import cvxpy as cp
import numpy as np

# パラメータ設定
N = 100 # 時間ステップ数
dt = 0.1 # 時間ステップの間隔
start_pos = np.array([0, 0]) # 始点
end_pos = np.array([1, 1]) # 終点

# 変数の定義
pos = cp.Variable((N, 2))
vel = cp.Variable((N, 2))
acc = cp.Variable((N, 2))
jerk = cp.Variable((N - 1, 2))

# 制約条件の設定
constraints = [
pos[0] == start_pos,
pos[-1] == end_pos,
vel[0] == 0,
vel[-1] == 0,
acc[0] == 0,
acc[-1] == 0,
]

for i in range(N - 1):
constraints += [
pos[i + 1] == pos[i] + vel[i] * dt + 0.5 * acc[i] * dt ** 2,
vel[i + 1] == vel[i] + acc[i] * dt,
acc[i + 1] == acc[i] + jerk[i] * dt,
]

# 目的関数の定義
objective = cp.Minimize(cp.sum_squares(jerk))

# 最適化問題の定義
prob = cp.Problem(objective, constraints)

# 最適化問題の解決
prob.solve()

# 結果の表示
print("最適な軌道の位置:\n", pos.value)
print("最適な軌道の速度:\n", vel.value)
print("最適な軌道の加速度:\n", acc.value)
print("最適な軌道の急加速度:\n", jerk.value)

このコードは、ロボットが2次元空間で始点から終点まで移動する際の最小ジャーク軌道を計算します。

CVXPYを使用して、制約条件を満たす最適な軌道を見つけることができます。

コードを実行すると最適な軌道の位置、速度、加速度、および急加速度が出力されます。

[実行結果]
最適な軌道の位置:
 [[7.01960674e-18 7.01960674e-18]
 [1.79198290e-17 1.79198290e-17]
 [3.00030003e-05 3.00030003e-05]
 
 (・・・略・・・)
 
 [9.99851822e-01 9.99851822e-01]
 [9.99969997e-01 9.99969997e-01]
 [1.00000000e+00 1.00000000e+00]]
最適な軌道の速度:
 [[3.56938295e-17 3.56938295e-17]
 [7.68980513e-17 7.68980513e-17]
 [6.00060006e-04 6.00060006e-04]

 (・・・略・・・)

 [1.76344165e-03 1.76344165e-03]
 [6.00060006e-04 6.00060006e-04]
 [3.52956039e-17 3.52956039e-17]]
最適な軌道の加速度:
 [[ 6.21202559e-17  6.21202559e-17]
 [ 6.00060006e-03  6.00060006e-03]
 [ 1.16338164e-02  1.16338164e-02]

 (・・・略・・・)

 [-1.16338164e-02 -1.16338164e-02]
 [-6.00060006e-03 -6.00060006e-03]
 [-5.79512950e-17 -5.79512950e-17]]
最適な軌道の急加速度:
 [[ 0.060006    0.060006  ]
 [ 0.05633216  0.05633216]
 [ 0.05273408  0.05273408]

 (・・・略・・・)

 [ 0.05273408  0.05273408]
 [ 0.05633216  0.05633216]
 [ 0.060006    0.060006  ]]

グラフ化

以下のPythonコードは、上記の最小ジャーク軌道計画問題の結果をグラフ化します。

Matplotlibライブラリを使用して、位置、速度、加速度、および急加速度のグラフを描画します。

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import matplotlib.pyplot as plt

# グラフの描画
fig, axes = plt.subplots(4, 1, figsize=(10, 20))

# 位置グラフ
axes[0].plot(pos.value[:, 0], pos.value[:, 1], marker='o', markersize=3)
axes[0].set_title('Position')
axes[0].set_xlabel('X')
axes[0].set_ylabel('Y')

# 速度グラフ
axes[1].plot(np.arange(N), vel.value[:, 0], label='X')
axes[1].plot(np.arange(N), vel.value[:, 1], label='Y')
axes[1].set_title('Velocity')
axes[1].set_xlabel('Time step')
axes[1].set_ylabel('Velocity')
axes[1].legend()

# 加速度グラフ
axes[2].plot(np.arange(N), acc.value[:, 0], label='X')
axes[2].plot(np.arange(N), acc.value[:, 1], label='Y')
axes[2].set_title('Acceleration')
axes[2].set_xlabel('Time step')
axes[2].set_ylabel('Acceleration')
axes[2].legend()

# 急加速度グラフ
axes[3].plot(np.arange(N - 1), jerk.value[:, 0], label='X')
axes[3].plot(np.arange(N - 1), jerk.value[:, 1], label='Y')
axes[3].set_title('Jerk')
axes[3].set_xlabel('Time step')
axes[3].set_ylabel('Jerk')
axes[3].legend()

plt.tight_layout()
plt.show()

このコードによって生成されるグラフは、以下の情報を示しています。

  1. 位置グラフ: ロボットが始点から終点まで移動する軌道を示しています。
     軌道は滑らかで、急激な変化がないことがわかります。

  2. 速度グラフ: ロボットの速度が時間ステップに応じてどのように変化するかを示しています。
     速度は始点と終点でゼロになり、途中で最大値に達します。

  3. 加速度グラフ: ロボットの加速度が時間ステップに応じてどのように変化するかを示しています。
     加速度は始点と終点でゼロになり、途中で最大値および最小値に達します。

  4. 急加速度グラフ: ロボットの急加速度(jerk)が時間ステップに応じてどのように変化するかを示しています。
     このグラフは、最小ジャーク軌道計画問題の目的関数が最小化されていることを示しています。

これらのグラフは、最小ジャーク軌道計画問題が適切に解決され、ロボットが滑らかな軌道で始点から終点まで移動できることを示しています。

[実行結果]



上記のグラフに基づいて、最小ジャーク軌道計画問題が適切に解決されたことが確認できます。

ロボットは、急加速度(jerk)を最小化することで、滑らかな軌道をたどりながら始点から終点まで移動できます。

この結果は、ロボットの運動性能を向上させ、衝突や不必要な振動を回避するのに役立ちます。


最小ジャーク軌道計画は、ロボットアームや自動運転車など、さまざまなロボットアプリケーションで使用されています。

この問題を解決することで、ロボットは効率的かつ安全に目標位置に到達できます。


今後のステップとして、他の制約条件や目的関数を追加して、問題をさらに複雑にすることができます。

例えば、障害物を回避する制約や、<>エネルギー消費を最小化する目的関数を追加することができます。

これにより、より現実的なシナリオでロボットの運動計画を最適化することができます。

ネットワークルーティング 最適化 CVXPY

ネットワークルーティング 最適化

ネットワークルーティングの最適化問題の一例として、最小費用流問題を考えます。

この問題では、ネットワーク内の各リンクにコストが割り当てられており、ある点から別の点へのフローを最小コストで転送する方法を見つけることが目的です。

CVXPYを使って最小費用流問題を解くために、以下の手順を実行します。

  1. 必要なライブラリをインポートします。
  2. ネットワークの構造を定義します。
  3. 最適化問題を定義します。
  4. 最適化問題を解きます。
  5. 結果を表示します。

以下に、Pythonコードの例を示します。

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import cvxpy as cp
import numpy as np

# ネットワークの構造を定義
nodes = 5
edges = [(0, 1), (0, 2), (1, 3), (2, 3), (2, 4), (3, 4)]
capacities = np.array([10, 10, 10, 10, 10, 10])
costs = np.array([1, 2, 3, 4, 5, 6])

# 最適化問題を定義
flow = cp.Variable(len(edges), nonneg=True)
objective = cp.Minimize(cp.sum(costs * flow))
constraints = [
flow <= capacities,
cp.sum(flow[[0, 1]]) == cp.sum(flow[[4, 5]]), # source node
cp.sum(flow[[2, 3]]) == cp.sum(flow[[0, 2]]), # intermediate node 1
cp.sum(flow[[4]]) == cp.sum(flow[[1, 3]]), # intermediate node 2
cp.sum(flow[[5]]) == cp.sum(flow[[4, 5]]), # sink node
]

# 最適化問題を解く
problem = cp.Problem(objective, constraints)
problem.solve()

# 結果を表示
print("最適なフロー:", flow.value)
print("最小コスト:", problem.value)

このコードは、5つのノードと6つのエッジを持つネットワークを定義し、最小費用流問題を解いています。

実行すると最適なフローと最小コストが表示されます。

[実行結果]

ネットワークの構造やコストを変更することで、異なる問題を解くことができます。

グラフ化

Pythonのnetworkxmatplotlibライブラリを使って、最適化されたネットワークルーティングの結果をグラフで表示することができます。

以下のコードは、前の例で得られた最適なフローをグラフで表示する方法を示しています。

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import networkx as nx
import matplotlib.pyplot as plt

# グラフを作成
G = nx.DiGraph()
G.add_nodes_from(range(nodes))
for i, edge in enumerate(edges):
G.add_edge(edge[0], edge[1], capacity=capacities[i], cost=costs[i], flow=flow.value[i])

# グラフを描画
pos = nx.spring_layout(G, seed=42)
nx.draw(G, pos, with_labels=True, node_color="skyblue", node_size=2000, font_size=20, font_weight="bold")
edge_labels = {(u, v): f"{d['flow']:.1f}/{d['capacity']} (cost: {d['cost']})" for u, v, d in G.edges(data=True)}
nx.draw_networkx_edge_labels(G, pos, edge_labels=edge_labels, font_size=12)

plt.title("Optimized Network Routing")
plt.axis("off")
plt.show()

このコードは、ネットワークのノードとエッジを描画し、各エッジに最適なフロー、容量、およびコストを表示します。

[実行結果]

networkxmatplotlibを使うと、さまざまなレイアウトやスタイルでグラフを表示することができます。

最小二乗ベクターマシン CVXPY

最小二乗ベクターマシン

最小二乗ベクターマシン(Least Squares Support Vector Machine, LS-SVM)は、サポートベクターマシン(SVM)の一種で、最小二乗法を用いて分類問題回帰問題を解く手法です。

ここでは、2次元の線形分類問題を例に、CVXPYを使ってLS-SVMを実装してみましょう。


まず、サンプルデータを生成します。

2つのクラスが線形に分離可能なデータセットを作成します。

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import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt

np.random.seed(0)

# クラス1のデータ生成
mean1 = np.array([0, 2])
cov1 = np.array([[1, 0.8], [0.8, 1]])
class1_data = np.random.multivariate_normal(mean1, cov1, 50)

# クラス2のデータ生成
mean2 = np.array([2, 0])
cov2 = np.array([[1, 0.8], [0.8, 1]])
class2_data = np.random.multivariate_normal(mean2, cov2, 50)

# データのプロット
plt.scatter(class1_data[:, 0], class1_data[:, 1], label='Class 1')
plt.scatter(class2_data[:, 0], class2_data[:, 1], label='Class 2')
plt.legend()
plt.show()
[実行結果]


次に、CVXPYを使ってLS-SVMを実装します。

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import cvxpy as cp

# データの準備
X = np.vstack((class1_data, class2_data))
y = np.hstack((np.ones(50), -np.ones(50)))

# 変数の定義
w = cp.Variable(2)
b = cp.Variable()
xi = cp.Variable(100)

# パラメータの設定
C = 1

# 目的関数の定義
objective = cp.Minimize(cp.sum_squares(w) / 2 + C * cp.sum(xi))

# 制約条件の定義
constraints = [cp.multiply(y, (X @ w + b)) >= 1 - xi, xi >= 0]

# 最適化問題の定義と解決
prob = cp.Problem(objective, constraints)
prob.solve()

# 最適解の取得
w_opt = w.value
b_opt = b.value

print("Optimal w:", w_opt)
print("Optimal b:", b_opt)
[実行結果]


最後に、分類境界線をプロットします。

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# 分類境界線のプロット
x_line = np.linspace(-2, 4, 100)
y_line = -(w_opt[0] * x_line + b_opt) / w_opt[1]

plt.scatter(class1_data[:, 0], class1_data[:, 1], label='Class 1')
plt.scatter(class2_data[:, 0], class2_data[:, 1], label='Class 2')
plt.plot(x_line, y_line, color='red', label='Decision boundary')
plt.legend()
plt.show()
[実行結果]


このコードは、2次元の線形分類問題に対してLS-SVMを適用し、最適な分類境界線を求めるものです。

CVXPYを使って最適化問題を定義し、最適解を求めています。

電力フロー最適化問題 CVXPY

電力フロー最適化問題

電力フロー最適化問題の例として、電力システムにおいて、電力の生成伝送、および消費を最適化する問題を考えます。

ここでは、簡単な3ノードの電力ネットワークを考え、CVXPYを使用して最適化問題を解きます。


この例では、3つのバス(ノード)があり、それぞれに発電機が接続されています。

各バスには、発電コストが異なります。

目的は、発電コストを最小化しながら、各バスの電力需要を満たすことです。

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import cvxpy as cp

# パラメータ
demand = [50, 100, 150] # 各バスの電力需要
gen_cost = [10, 20, 30] # 各発電機の発電コスト
capacity = [100, 200, 300] # 各発電機の容量

# 変数
power_gen = cp.Variable(3) # 各発電機の発電量

# 制約
constraints = [
power_gen >= 0, # 発電量は非負
power_gen <= capacity, # 発電量は容量以下
cp.sum(power_gen) == sum(demand), # 電力需要を満たす
]

# 目的関数
objective = cp.Minimize(cp.sum(power_gen * gen_cost))

# 最適化問題
prob = cp.Problem(objective, constraints)

# 最適化問題を解く
result = prob.solve()

# 結果を表示
print("最適発電量:", power_gen.value)
print("最小発電コスト:", result)

このコードは、3つのバスの電力需要を満たすために、各発電機がどれだけの電力を生成する必要があるか、またその際の最小発電コストはいくらかを計算します。

CVXPYを使用して、最適化問題を定義し、制約条件を設定し、目的関数を最小化することで、最適な発電量と最小発電コストを求めることができます。

[実行結果]
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最適発電量: [9.99999998e+01 1.99999999e+02 9.31465184e-07]
最小発電コスト: 5000.000011406152

この最適化問題の結果は、各発電機がどれだけの電力を生成する必要があるかを示しています。

最適発電量は以下のようになります。

🔹発電機1: 99.99999998
🔹発電機2: 199.9999999
🔹発電機3: 9.31465184e-07(ほぼ0)

この結果から、発電機1と発電機2がそれぞれの容量限界まで発電しており、発電機3はほとんど発電していないことがわかります。

これは、発電機1と発電機2の発電コストが発電機3よりも低いため、発電コストを最小化するために発電機1と発電機2が主に使用されていることを示しています。


最小発電コストは、5000.000011406152です。

これは、最適な発電量を達成するために必要な合計発電コストを示しています。

この値は、各発電機の発電量と発電コストを掛け合わせたものの合計です。


この最適化問題の解は、電力需要を満たしながら発電コストを最小化するための最適な発電量を示しています。

この情報は、電力システムの運用者が、コスト効率の良い方法で電力を供給するための参考情報となりえます。

凸最適化問題 CVXPY

凸最適化問題

凸最適化問題の例として、以下の問題を取り上げます:

問題:

2つの変数xとyに対して、次の目的関数を最小化するようなxとyの値を求める。

🔹$ f(x, y) = (x-1)^2 + 4(y+2)^2 $

制約条件:

🔹$ x + y \geqq 3 $

解法

この問題をCVXPYを使用して解いてみましょう。

まず、CVXPYをインポートします。

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import cvxpy as cp

次に、変数xとyを定義します。

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x = cp.Variable()
y = cp.Variable()

目的関数と制約条件を定義します。

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objective = cp.Minimize((x-1)**2 + 4*(y+2)**2)
constraints = [x + y >= 3]

最後に、最適化問題を定義し、解を求めます。

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problem = cp.Problem(objective, constraints)
problem.solve()

最適な解が得られました。

最小値を目的関数の値として取得できます。

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optimal_value = problem.value

また、最適なxとyの値も取得できます。

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optimal_x = x.value
optimal_y = y.value

以上が、凸最適化問題をCVXPYで解くためのコードです。


全ソースコードは以下のようになります。

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import cvxpy as cp

x = cp.Variable()
y = cp.Variable()

objective = cp.Minimize((x-1)**2 + 4*(y+2)**2)
constraints = [x + y >= 3]

problem = cp.Problem(objective, constraints)
problem.solve()

optimal_value = problem.value
optimal_x = x.value
optimal_y = y.value

print("Optimal value:", optimal_value)
print("Optimal x:", optimal_x)
print("Optimal y:", optimal_y)

結果表示

上記のコードを実行すると、最小値や最適なxとyの値が表示されます。

[実行結果]
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Optimal value: 12.800000000000002
Optimal x: 4.2
Optimal y: -1.2

“Optimal value”は最小化したい目的関数の最小値を示しています。

また、”Optimal x”と”Optimal y”は最適な変数xとyの値を示しています。

最適なxの値は4.2、最適なyの値は-1.2となったことが分かります。