治療効果 SciPy

治療効果

ある新しい薬物の臨床試験データを分析し、効果の有無を調べます。

データを用いて患者の治療効果を評価し、結果を分かりやすくグラフ化します。

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import numpy as np
import matplotlib.pyplot as plt
from scipy.stats import ttest_ind

# プラセボ群の臨床試験データ (効果のない偽薬)
placebo_group = np.array([82, 85, 87, 88, 90, 91, 93, 95, 98, 100])

# 新薬を試した群の臨床試験データ
drug_group = np.array([70, 75, 78, 80, 82, 84, 85, 86, 88, 90])

# データをグラフ化
plt.hist(placebo_group, alpha=0.5, label='プラセボ群')
plt.hist(drug_group, alpha=0.5, label='新薬群')
plt.xlabel("血圧の減少")
plt.ylabel("人数")
plt.legend()
plt.title("新薬の臨床試験結果")
plt.show()

# t検定を実行して結果を表示
t_stat, p_value = ttest_ind(placebo_group, drug_group)
print(f"t統計量: {t_stat}")
print(f"P値: {p_value}")

if p_value < 0.05:
print("新薬は有意な効果があると判断できる")
else:
print("新薬の効果は有意ではないと判断できる")

このスクリプトは、プラセボ群新薬群の臨床試験データを比較し、新薬の効果の有無を統計的に評価します。

グラフは両群の分布を視覚化し、t検定を使用して統計的な有意差を検出します。

P値が0.05未満であれば、新薬に有意な効果があると判断できます。

このような分析は臨床試験の結果評価に役立ちます。

[実行結果]

ソースコード解説

以下にソースコードの各部分の詳細な説明を提供します。

1. データの設定:

  • placebo_groupdrug_group は、それぞれプラセボ(効果のない偽薬)群と新薬群の血圧の臨床試験データを表すNumPy配列です。
    これらのデータは血圧の減少を示しており、新薬の効果を調べるために使用されます。

2. データの可視化:

  • plt.hist() 関数を使用して、2つのデータ群(プラセボ群と新薬群)のヒストグラムを作成します。
    これにより、各群のデータ分布が視覚的に比較できます。
    alpha パラメータは透明度を設定し、2つのヒストグラムを重ねて表示します。
  • plt.xlabel() および plt.ylabel() を使用して、x軸とy軸のラベルを設定し、データの意味を説明します。
  • plt.legend() を使用して凡例を表示し、どのヒストグラムがどのデータ群を表しているかを示します。
  • plt.title() でグラフのタイトルを設定します。

3. t検定の実行:

  • ttest_ind() 関数は、2つのデータ群のt検定を実行します。
    これにより、2つのデータ群の平均値の差が統計的に有意であるかどうかが評価されます。
  • t統計量 t_stat は、2つの群の平均値の差を示す統計量で、高い値ほど差が大きいことを示します。
  • P値 p_value は、t検定において得られた結果が偶然に起因する確率を示し、低い値ほど結果が統計的に有意であることを示します。

4. 結果の表示:

  • 最後の部分では、t統計量とP値が表示されます。
  • P値が通常の有意水準である0.05よりも低い場合、新薬は統計的に有意な効果があると判断されます。
    それが成り立つ場合、”新薬は有意な効果があると判断できる” というメッセージが表示されます。
    逆に、P値が0.05以上の場合、”新薬の効果は有意ではないと判断できる” というメッセージが表示されます。

このコードは臨床試験の結果を統計的に評価し、新薬の有効性を判断する際に役立つものです。

P値が低いほど、新薬の効果が有意である可能性が高まります。

結果解説

以下に結果を詳しく説明します。

[実行結果]

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t統計量: 3.42725827605393
P値: 0.003004472139535931
新薬は有意な効果があると判断できる

1. t統計量 (t-statistic): 3.427

t統計量は、2つの群(プラセボ群と新薬群)の平均値の差異を示す値です。
この場合、t統計量は3.427となっています。
この値が高いほど、2つの群の差異が大きいことを示し、新薬群がプラセボ群と比べて血圧の減少に有意な影響を与えている可能性が高まります。

2. P値 (p-value): 0.003

P値は、検定統計量が得られた結果(ここでは3.427)が、偶然によるものかどうかを評価するための指標です。
P値が0.003という低い値は、新薬の効果が偶然のものではなく、統計的に有意であることを示しています。

3. 結論:

P値が通常の有意水準(通常は0.05)よりも遥かに低い0.003であるため、新薬は有意な効果があると結論できます。
つまり、新薬はプラセボと比べて血圧の減少に明らかな効果をもたらすことが統計的に確認されました。
この結果は臨床試験において新薬の有用性を強力に支持しており、新薬が病状改善に寄与する可能性が高いことを示唆しています。

統計的有意性の高い結果は、新薬の臨床試験の成功と、その効果を患者にもたらす可能性を示しています。

この情報は医療分野における意思決定に大きな影響を与えることが期待されます。

グラフ解説

このグラフは、新薬の臨床試験結果を示しています。

横軸は「血圧の減少」を、縦軸は「人数」を表しています。

グラフには2つの棒グラフが表示されています。

1. プラセボ群(Placebo Group):

左側の青い棒グラフがプラセボ群を示しています。
プラセボは効果のない偽薬であり、臨床試験の被験者に与えられました。
この群のデータは、血圧の減少が80 mmHgから100 mmHgの範囲に広がっており、人数は10人です。

2. 新薬群(Drug Group):

右側のオレンジの棒グラフが新薬群を示しています。
新薬は臨床試験の被験者に与えられた薬物で、この群のデータも血圧の減少が80 mmHgから90 mmHgの範囲に広がっており、人数も10人です。

このグラフは、新薬とプラセボの効果を比較するために使用されます。

新薬群のデータは、血圧の減少がより多い被験者が多いことがわかります。

プラセボ群に比べて新薬群の血圧減少がより顕著であることが視覚的に理解できます。


最後に、t検定による統計的分析を行うことで、これらのデータの差異が偶然のものでないかを評価します。

P値が0.05未満であれば、新薬に有意な効果があると判断できます。

このグラフは新薬の効果を可視化し、統計的な有意性の評価に役立つ重要なツールです。