次元削減(主成分分析)
scikit-learn
は機械学習ライブラリであり、貿易問題を直接解決するためのツールではありませんが、クラスタリングや次元削減などの手法を使用してデータを分析し、貿易パターンを視覚化することができます。
例として、異なる国の貿易データを考え、それをscikit-learn
を用いて次元削減(主成分分析)し、結果を可視化してみます。
実際の貿易データを使用せず、ダミーデータを生成して使います。
1 | import numpy as np |
この例では、3つの国間で4つの商品の貿易データを生成し、PCA
を使って次元を2つに削減します。
その後、2つの主成分をx軸とy軸として、それぞれの国のデータをプロットしています。
実際のデータを使用する場合、より意味のある視覚化が可能です。
ソースコード解説
ソースコードを詳しく見ていきましょう。
1. ライブラリのインポート
1 | import numpy as np |
numpy
は数値計算を行うためのライブラリです。matplotlib
はグラフ描画のためのライブラリで、pyplot
モジュールをplt
としてインポートします。sklearn
のPCA
は、主成分分析を実行するためのクラスです。
2. ダミーデータの生成
1 | np.random.seed(42) |
np.random.seed(42)
は乱数生成器のシードを設定し、乱数の再現性を確保します。countries
は国のリストを表し、3つの国が含まれています。num_products
は商品の数を示し、ここでは4つの商品があります。num_samples
はサンプルの数を示します。ここでは各国の商品の貿易データを100サンプル生成します。np.random.randint(0, 100, size=(num_samples, num_products * len(countries)))
は、0から99の間のランダムな整数で、各国の各商品の貿易データを生成します。
3. 主成分分析 (PCA) を用いた次元削減
1 | pca = PCA(n_components=2) |
PCA(n_components=2)
は、2次元に次元削減するPCA
のインスタンスを作成します。pca.fit_transform(data)
は、生成された貿易データを使って主成分分析を行い、データを2次元に変換します。
4. 可視化
1 | plt.figure(figsize=(8, 6)) |
plt.figure(figsize=(8, 6))
でグラフのサイズを設定します。for
ループは各国の貿易データをプロットします。plt.scatter()
は散布図をプロットします。ここでは主成分1と主成分2をx軸とy軸にしてプロットしています。plt.xlabel()
とplt.ylabel()
でx軸とy軸のラベルを設定し、plt.title()
でグラフのタイトルを設定します。plt.legend()
で凡例を表示し、plt.grid(True)
でグリッド線を表示します。plt.show()
でグラフを表示します。
これにより、ダミーの貿易データをPCAで2次元に変換し、各国の商品の貿易パターンを可視化するグラフが作成されます。
結果解説
生成されたグラフは、3つの国(Country A、Country B、Country C)間で4つの商品(リンゴ、バナナ、オレンジ、グレープ)の貿易データの次元削減結果を可視化したものです。
横軸と縦軸はそれぞれ主成分分析(PCA)によって得られた2つの主成分です。
これらの主成分は元の多次元のデータをより少ない次元(ここでは2次元)に圧縮したものです。
それぞれの国は異なる色で表されており、各国の点の集まりがその国の商品の貿易パターンを示しています。
点が近くに集まっている場合、その国は類似した貿易パターンを持っていることを示しています。
逆に、点が離れている場合、その国の商品の貿易パターンは異なる可能性があります。
グラフ上の点が重なっている場合、その点のデータは次元削減によって同じ位置にマッピングされたため、視覚的には1つの点に見えますが、実際には複数のデータ点が含まれています。
このグラフは、異なる国の間での商品の貿易パターンや類似性を視覚的に理解するのに役立ちます。
もし実際の貿易データがあれば、これらの点のパターンやクラスタリングをより詳細に解釈することができます。