SciPyを使用して、ある物質の温度変化に関する問題を考え、その結果をグラフ化します。
物質の冷却
ある物質の冷却過程を考えます。
物質の初期温度が $100℃$ であり、周囲の温度が $25℃$ です。
物質の冷却は、ニュートンの冷却法則に従います。
物質の温度T(℃)は以下の式で与えられます。
$ \frac{dT}{dt} = -k \cdot (T - T_{\text{ambient}}) $
ここで、$ (k) $ は冷却係数であり、$(T_{\text{ambient}}) $は周囲の温度です。
物質の冷却係数は$0.07$とします。
この冷却過程をSciPyを使用して解き、物質の温度変化を0から100秒までシミュレートし、結果をグラフで表示します。
1 | import numpy as np |
このコードは、物質の冷却過程をシミュレートし、時間に対する温度の変化をグラフ化します。
初めは100℃で始まり、徐々に周囲の温度に近づいていく様子が分かります。
ソースコード解説
このソースコードは、Pythonプログラムで物質の冷却過程をモデル化し、結果をグラフとして表示するものです。
以下にソースコードの詳細な説明を行います。
- ライブラリのインポート:
1 | import numpy as np |
numpy
: 数値計算をサポートするライブラリ。matplotlib.pyplot
: データをグラフで描画するためのライブラリ。scipy.integrate.odeint
: 常微分方程式を数値的に解くための関数。
- パラメータの設定:
1 | k = 0.07 # 冷却係数 |
k
: 物質の冷却速度を示す冷却係数。T_initial
: 物質の初期温度。T_ambient
: 周囲の温度。
- モデル式の定義:
1 | def model(T, t): |
model(T, t)
: 冷却過程のモデル式を表す関数。
ニュートンの冷却法則に基づき、温度変化率dTdt
を計算して返します。
- 時間範囲の設定:
1 | t = np.linspace(0, 100, 100) |
np.linspace(0, 100, 100)
: 0から100までの範囲を100個の等間隔な点で区切った配列を生成。
時間の経過を表す配列t
。
- 初期条件の設定:
1 | T0 = [T_initial] |
T0
: 初期温度を要素とするリスト。
微分方程式の初期条件として使用されます。
- 微分方程式の解法:
1 | T = odeint(model, T0, t) |
odeint(model, T0, t)
: 微分方程式model
を初期条件T0
から解いて、時間経過に伴う温度の変化を計算します。
- 結果のグラフ表示:
1 | plt.plot(t, T) |
plt.plot(t, T)
: 時間に対する温度の変化を折れ線グラフとして描画。plt.xlabel('Time (s)')
: X軸のラベルを設定。plt.ylabel('Temperature (C)')
: Y軸のラベルを設定。plt.title('Cooling of a Substance')
: グラフのタイトルを設定。plt.grid(True)
: グリッドを表示。plt.show()
: グラフを表示。
このソースコードは、微分方程式を解いて物質の冷却過程をシミュレートし、結果をグラフで可視化する基本的な例です。
グラフ解説
生成されるグラフは、物質の冷却過程を時間の経過に伴って示しています。
以下にその詳細な説明を行います。
グラフの横軸(X軸)は時間(秒)を示しており、縦軸(Y軸)は物質の温度(摂氏)を示しています。
初期条件として、物質の初期温度は$100℃$です。
物質は周囲の温度である$25℃$に徐々に近づく過程が描かれています。
冷却係数 $(k)$ が$0.07$と設定されており、物質の温度変化はニュートンの冷却法則に従っています。
グラフの形状は、指数的な減少を示しています。
最初の数秒間は温度の変化が大きく、急速に冷却が進行しています。
しかし、時間が経つにつれて温度の変化は緩やかになり、周囲の温度に収束していきます。
つまり、物質は周囲の環境に達するまで冷却されていくことが分かります。
グラフの右上に近づくにつれ、温度の変化はゆっくりとなり、最終的には周囲の温度に収束していることが確認できます。
これは、冷却過程が進むにつれて温度の差が小さくなるためです。
このグラフは、物質の冷却過程が時間とともにどのように進行するかを示しており、物理的な現象の理解やモデリングに役立つ情報を提供しています。