Prophet

Prophetとは

Prophetは、Facebookが開発した時系列データの予測ツールであり、特に季節性やトレンドを考慮した予測を行うことに特化しています。

Prophetは、ビジネスや研究などで時系列データを扱う際に非常に便利なツールです。

以下に、Prophetライブラリの主な特徴と使い方についての情報を提供します。

主な特徴

  1. 容易な使用:
    ProphetはユーザーフレンドリーなAPIを提供しており、比較的簡単にモデルを構築し、予測を行うことができます。

  2. 季節性とトレンドのモデリング:
    季節的な変動やトレンドを柔軟にモデル化することができます。
    祝日や特別なイベントも組み込むことができます。

  3. 自動的な特徴量生成:
    Prophetは季節性やトレンドのパターンを自動的に検出し、特徴量を生成します。

  4. 外れ値の取り扱い:
    Prophetは外れ値に対して頑健なモデルを提供し、外れ値が予測結果に与える影響を最小限に抑えることができます。

  5. 拡張性:
    PythonとRの両方で利用可能であり、カスタムモデルの開発も可能です。

使い方

  1. データの準備:
    時系列データをPandasのDataFrameとして準備します。
    少なくとも「ds」(日付)と「y」(ターゲット変数)の2つの列が必要です。

  2. モデルの構築:
    Prophetオブジェクトを初期化し、モデルを構築します。
    季節性やトレンドのカスタマイズ、祝日の追加などを行うことができます。

  3. 未来の予測:
    未来の日付を含むDataFrameを作成し、その日付に対する予測を行います。

  4. 結果の可視化:
    Prophetは結果をプロットするための便利なメソッドを提供します。
    これにより、予測結果を視覚的に理解しやすくなります。

こうした特徴と使い方により、Prophetはビジネスや研究分野で時系列データの予測に利用されています。

ただし、データの前処理やモデルの調整は適切に行う必要があります。

解決できる現実的な問題

Prophetを使用して解決できる現実的な問題のいくつかを挙げてみましょう。

  1. 売上予測:
    小売店の日次売上を予測して在庫管理やプロモーション計画を最適化する。

  2. ウェブトラフィック予測:
    ウェブサイトのアクセス数を予測してサーバーリソースを適切に割り当てる。

  3. エネルギー需要予測:
    電力消費の予測を行い、発電計画やエネルギー供給を調整する。

  4. 株価予測:
    株式市場のデータを使用して将来の株価変動を予測する。

  5. 天候予測:
    気象データを元に未来の気温や降水量などを予測する。

  6. トレンド予測:
    製品の需要トレンドを予測して製造計画を立てる。

  7. 人口統計予測:
    人口データを使用して将来の人口変動を予測する。

  8. 感染症拡大予測:
    感染症のデータを元に感染拡大の予測を行う(特にトレンドや季節性の影響を考慮)。

  9. 交通量予測:
    道路や公共交通機関の利用データを使って交通量を予測する。

  10. 旅行需要予測:
    航空会社やホテルが将来の需要を予測し、価格設定や予約管理を最適化する。

これらの問題は、Prophetを用いて時系列データを予測する際に適用できるものです。

Prophetは季節性やトレンドを考慮するための機能を持っており、比較的簡単に導入できるため、さまざまな分野で活用されています。

ただし、データの品質やモデルのパラメータ調整に注意が必要です。

サンプル

Prophetを使用して時系列データの予測を行うサンプルコードを示します。

ここでは、日次の売上データを使用して、将来の売上を予測する例を示します。

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import pandas as pd
from prophet import Prophet
import matplotlib.pyplot as plt

# 入力データの準備
data = pd.DataFrame({
'ds': pd.to_datetime(['2023-01-01', '2023-01-02', '2023-01-03', '2023-01-04', '2023-01-05']),
'y': [1000, 1200, 900, 1100, 1050]
})

# モデルの初期化と学習
model = Prophet()
model.fit(data)

# 未来の日付を予測
future = model.make_future_dataframe(periods=7) # 7日分の未来の日付を作成
forecast = model.predict(future)

# 予測結果を表示
print(forecast[['ds', 'yhat', 'yhat_lower', 'yhat_upper']])

# 予測結果をプロット
fig = model.plot(forecast)
plt.xlabel("Date")
plt.ylabel("Sales")
plt.title("Sales Forecast")
plt.show()

このコードでは、手動でデータを準備しています。

実際の場面ではCSVファイルなどからデータを読み込むことが一般的です。

ここでは5日分の売上データを用いて7日後までの売上を予測しています。

予測結果はDataFrameとして表示し、またグラフとしてもプロットしています。

[実行結果]

これを参考にして、自分のデータに合わせてProphetを使って予測を行う際の基本的な手順を理解していただければと思います。