飛行距離
空気抵抗を無視した水平投射の物体の飛行距離を計算し、速度に対する飛行距離の関係をグラフ化します。
物体の水平投射の飛行距離 $ (D) $ は以下の式で表されます。
$$
[ D = \frac{v^2 \sin(2\theta)}{g} ]
$$
[単位説明]
- $ (D) $ は飛行距離(メートル)
- $ (v) $ は初速度($ m/s $)
- $ (\theta) $ は発射角度(ラジアン)
- $ (g) $ は重力加速度($ 約9.81 m/s^2 $)
この関数をSciPyを使用して計算し、初速度に対する飛行距離の関係をグラフ化します。
以下がPythonコードの例です:
1 | import numpy as np |
このコードは、初速度に対する飛行距離の関係を示すグラフを生成します。
グラフは初速度が増加するにつれて、飛行距離も増加することを示しています。
ソースコード解説
このソースコードは、初速度に対する飛行距離の関係を計算し、それをグラフ化するためのPythonプログラムです。
以下にソースコードの詳細な説明を提供します:
1. import numpy as np
とimport matplotlib.pyplot as plt
:
NumPyとMatplotlibライブラリをインポートします。
NumPyは数値計算のために使用され、Matplotlibはグラフの描画に使用されます。
2. g = 9.81
:
重力加速度を表す変数 g
を設定します。この値は約$9.81 m/s^2$で、地球上での標準的な重力加速度です。
3. theta = np.pi / 4
:
発射角度をラジアンで表す変数 theta
を設定します。
ここでは45度をラジアンに変換しています。
ラジアンは角度を表す単位で、$ ( \pi ) $ ラジアンは$180$度です。
4. v_values = np.linspace(0, 100, 100)
:
初速度の範囲を設定します。np.linspace
関数を使用して、$ 0 $ から $ 100 m/s $ までの初速度を$100$点でサンプリングした配列 v_values
を生成します。
これにより、初速度の値が $ 0 $ から $ 100 $ まで均等に分布する配列が作成されます。
5. def calculate_distance(v)
:
初速度 (v) を受け取って飛行距離を計算する関数 calculate_distance
を定義します。
計算式は先ほど説明した通りです。
6. distances = [calculate_distance(v) for v in v_values]
:
各初速度に対する飛行距離を計算し、リスト distances
に格納します。
リスト内包表記を使用して、各初速度に対して関数 calculate_distance
を呼び出して計算します。
7. plt.figure(figsize=(8, 6))
:
Matplotlibで新しい図を作成し、図のサイズを設定します。
8. plt.plot(v_values, distances)
:
初速度 (v_values
) に対する飛行距離 (distances
) のグラフをプロットします。
これにより、初速度に対する飛行距離の関係が表示されます。
9. plt.title('Flight Distance vs Initial Velocity')
:
グラフにタイトルを追加します。
10. plt.xlabel('Initial Velocity (m/s)')
:
x軸(横軸)にラベル “Initial Velocity (m/s)” を追加します。
11. plt.ylabel('Flight Distance (meters)')
:
y軸(縦軸)にラベル “Flight Distance (meters)” を追加します。
12. plt.grid(True)
:
グリッド線を表示します。
13. plt.show()
:
グラフを表示します。
これにより、初速度と飛行距離の関係を視覚的に確認できます。
このソースコードは、初速度と飛行距離の関係を探るために、初速度の範囲をサンプリングし、飛行距離を計算してグラフ化するシンプルな物理学の問題を解決するためのものです。
グラフ解説
下記のグラフは、初速度に対する飛行距離の関係を示しています。
以下にこのグラフの詳細な説明を提供します。
1. x軸(初速度):
グラフの横軸は初速度($(v)$)を表しています。
初速度は水平方向に物体を投射する速度で、単位はメートル毎秒$(m/s)$です。
x軸は0から100 m/sまでの初速度の範囲をカバーしています。
2. y軸(飛行距離):
グラフの縦軸は飛行距離 $ (D)) $ を表しています。
飛行距離は物体が水平方向にどれだけ進むかを示し、単位もメートル $ (m) $ です。
3. グラフの形状:
グラフは放物線の形状をしています。
これは初速度が増加するにつれて飛行距離が増加することを示しています。
初速度が低い場合、物体は遠くまで飛びませんが、初速度が高い場合、物体は遠くまで飛びます。
4. 最大飛行距離:
グラフ上で最大の飛行距離は、放物線の頂点に対応します。
この最大値は特定の初速度で達成され、最大飛行距離を得るためにはその初速度で物体を投射する必要があります。
5. 角度 $ (\theta) $ の影響:
グラフは特定の発射角度(この例では $ 45 $ 度または $ (\pi/4) $ ラジアン)を想定しています。
発射角度が異なる場合、最大飛行距離の値や初速度での発射条件が変化します。
したがって、発射角度を変えるとグラフの形状も変化します。
このグラフは、物理的な問題で初速度と飛行距離の関係を視覚化するのに役立ちます。
初速度を調整することで、特定の飛行距離を達成したり、最大飛行距離を求めたりするのに役立つ情報を提供しています。