インデックス投資 最適化 CVXPY

CVXPY

CVXPYはPythonの数理最適化ライブラリであり、線形および凸最適化問題を解くために設計されています。

CVXPYは、数学的な表現力とシンプルなインターフェースを提供し、最適化問題を効率的かつ直感的に表現することができます。


CVXPYを使用すると、次のような最適化問題を扱うことができます:

🔹線形最小化問題(LP):目的関数が線形で制約条件が線形の最小化問題。
🔹二次最小化問題(QP):目的関数が二次形式で制約条件が線形の最小化問題。
🔹凸最小化問題:目的関数が凸で制約条件が凸の最小化問題。


CVXPYの主な特徴は次のとおりです:

🔹直感的な表現力:
 CVXPYは数学的な表現力を持っており、最適化問題を数学的な表現で記述することができます。
 これにより、問題の形式化と解釈が容易になります。

🔹簡潔なインターフェース:
 CVXPYはシンプルなインターフェースを提供し、最適化問題を直感的に表現することができます。
 変数、目的関数、制約条件を定義し、最適化問題を一貫した構文で記述することができます。

🔹多くの最適化ソルバーのサポート:
 CVXPYは、さまざまな最適化ソルバーとのインターフェースを提供しています。
 これにより、特定の最適化問題に最適なソルバーを選択し、高速な解を得ることができます。

インデックス投資 最適化

インデックス投資の最適化問題は、ポートフォリオのリターンとリスクを最適化する問題として扱われます。

ここでは、4つの銘柄を例に、期待リターンを最大化しながらリスク(分散)を制限する問題を設定し、CVXPYを使って解きます。

解法

まず、各銘柄の期待リターンと共分散行列を定義します。

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import numpy as np

# 期待リターン
expected_returns = np.array([0.07, 0.12, 0.15, 0.10])

# 共分散行列
cov_matrix = np.array([
[0.0064, 0.00408, 0.00192, 0.0016],
[0.00408, 0.0289, 0.0204, 0.0119],
[0.00192, 0.0204, 0.0576, 0.0336],
[0.0016, 0.0119, 0.0336, 0.0400]
])

次に4つの銘柄に対して期待リターンを最大化しながら、リスク(分散)を0.02以下に制限する投資比率を求めます。

実際のインデックス投資では、より多くの銘柄と制約条件を考慮する必要がありますが、この例はCVXPYを使った最適化問題の基本的な構造を示しています。

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import cvxpy as cp

# 変数の定義
x = cp.Variable(4)

# 目的関数
objective = cp.Maximize(expected_returns @ x)

# 制約条件
constraints = [
cp.sum(x) == 1, # 合計投資比率は1
cp.quad_form(x, cov_matrix) <= 0.02, # リスク(分散)の上限
x >= 0, # 投資比率は0以上
x <= 1 # 投資比率は1以下
]

# 問題の定義
prob = cp.Problem(objective, constraints)

# 最適化
prob.solve()

# 結果の表示
for i in range(4):
print(f"銘柄 {i}: 投資比率 {x.value[i]:.2f}")

結果

コードを実行すると下記のような結果が表示されます。

[実行結果]
銘柄 0: 投資比率 0.23
銘柄 1: 投資比率 0.40
銘柄 2: 投資比率 0.37
銘柄 3: 投資比率 0.00

この最適化問題の結果は、期待リターンを最大化しながらリスク(分散)を0.02以下に制限するための各銘柄への投資比率を示しています。

具体的には以下の通りです。

🔹銘柄 0: 投資比率 0.23 (23%)
🔹銘柄 1: 投資比率 0.40 (40%)
🔹銘柄 2: 投資比率 0.37 (37%)
🔹銘柄 3: 投資比率 0.00 (0%)

この結果に基づくと、最適なポートフォリオは、銘柄0に23%、銘柄1に40%、銘柄2に37%投資し、銘柄3には投資しないことです。

これにより、リスクを制限しながら期待リターンが最大化されます。


実際の投資判断には、さまざまな要因や制約条件が影響するため、この結果をそのまま適用することは適切ではない場合があります。

最適化問題の設定や入力データ(期待リターンや共分散行列)に不確実性があることを考慮し、投資判断を行ってください。