難民問題 最適化 PuLP

難民問題 最適化

難民問題に関する最適化問題の一つとして、「難民の再定住問題」を考えてみましょう。

この問題では、複数の難民を異なる再定住先に割り当てることで、与えられた制約条件下で最大の幸福度を達成するようにします。

具体的な問題設定として、以下のような仮定をします。

🔹再定住先は複数あり、それぞれには定員が設定されています。
🔹難民は異なる幸福度を持ち、再定住先によって幸福度が異なります。
🔹各再定住先の定員は超えてはなりません。
🔹各難民は1つの再定住先にのみ割り当てられます。

解法

この問題をPuLPを使って解くためには、以下の手順に従います。

①問題の変数を定義します。

 ここでは、再定住先への割り当てを表すバイナリ変数を使用します。
 例えば、x[i, j]は難民iが再定住先jに割り当てられる場合に1となります。

②問題の目的関数を定義します。

 目的は、難民の幸福度の合計を最大化することです。

③制約条件を定義します。

 再定住先の定員制約や、難民が1つの再定住先にのみ割り当てられるという条件を設定します。

④PuLPを使用して問題を解きます。

ソースコード

以下に、PuLPを使用した難民の再定住問題の最適化コードの例を示します。

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from pulp import *

# 難民と再定住先のデータ
refugees = {
'Refugee1': {'happiness': 5},
'Refugee2': {'happiness': 8},
'Refugee3': {'happiness': 3}
}

resettlement = {
'Resettlement1': {'capacity': 2},
'Resettlement2': {'capacity': 1}
}

# 問題の定義
problem = LpProblem("Refugee Resettlement Problem", LpMaximize)

# 問題の変数
x = LpVariable.dicts("RefugeeResettlement",
[(r, s) for r in refugees for s in resettlement],
cat='Binary')

# 目的関数
problem += lpSum(refugees[r]['happiness'] * x[r, s] for r in refugees for s in resettlement)

# 制約条件
for r in refugees:
problem += lpSum(x[r, s] for s in resettlement) == 1 # 難民は1つの再定住先にのみ割り当てられる

for s in resettlement:
problem += lpSum(x[r, s] for r in refugees) <= resettlement[s]['capacity'] # 再定住先の定員制約

# 問題を解く
problem.solve()

# 結果を表示
print("最適化結果:")
for r in refugees:
for s in resettlement:
if value(x[r, s]) == 1:
print(f"{r}{s} に再定住")

# 目的関数の値(難民の幸福度の合計)を表示
print("目的関数の値:", value(problem.objective))

このコードでは、難民と再定住先のデータを辞書として定義し、それぞれの幸福度や定員を設定しています。

問題の定義、変数の定義、目的関数の定義、制約条件の定義を行った後、PuLPのsolve()関数を呼び出して問題を解きます。

解が見つかった場合、割り当て結果目的関数の値(難民の幸福度の合計)が表示されます。


このコードを実行すると次のような結果になります。

[実行結果]
最適化結果:
Refugee1 を Resettlement1 に再定住
Refugee2 を Resettlement1 に再定住
Refugee3 を Resettlement2 に再定住
目的関数の値: 16.0

この結果では、難民1は再定住先1に、難民2は再定住先1に、難民3は再定住先2に再定住することが最適解となり、目的関数の値(難民の幸福度の合計)は16となっています。